「カルテット」臺詞-第二集
zhouer / 2022-05-11
第二集~
世吹 すずめ:旧軽に 餃子専門店できてたんですよ。
別府 司:巻さん 餃子 好きなんですか?
巻 真紀:昼から食べる餃子とビールは 人類の到達点です。
家森 諭高:あの 僕がせっかくブイヤベース作ったんで,餃子の話しながら食べるのやめません?
巻 真紀:ごめんなさい,ブイヤベース おいしいです。
別府 司:最高です。
世吹 すずめ:何味が好きですか? シソとか?
巻 真紀:シソとか 本当うまいですよね。
家森 諭高:シソとか入れたら…
世吹 すずめ:あと 棒…
巻 真紀:棒餃子でしょう。
別府 司:おいしですよね 棒餃子。
家森 諭高:すいません そうやって話されると,餃子 食べてる気がしてくるんですよね。
巻 真紀と世吹 すずめと別府 司:はい…
巻 真紀:ブイヤベース。
世吹 すずめ:ブイヤベース。
家森 諭高:言い聞かせなくていいから。
巻 真紀:餃子は… 嫌い。
世吹 すずめ:餃子は嫌い。
家森 諭高:嫌いになろうと思えば思うほど 好きなんるでしょ?
巻 真紀:これに 餃子入れたら…
世吹 すずめ:これに 餃子入れたら…
世吹 すずめ:おいしい
巻 鏡子:楽しそうですね。
世吹 すずめ:私は 別に 合わせて笑ってるだけなんで。
巻 鏡子:手品師が どうやって 人を騙す(だます)か ご存知? 右(みぎ)手で興味を引きつけて 左(ひだり)手で 騙す。 楽しんでください,掛けがえのない友達になって 最後の最後に 裏切ってくださればいいの。
世吹 すずめ:はい。
世吹 すずめ:この別府さんが カルテットを組みましょうって。
巻 鏡子:もしかしたら 息子を殺した共犯者(きょうはん)かも。
世吹 すずめ:私と同じ時に 偶然 カラオケで出会いって…
巻 鏡子:それもどうかしら?
巻 真紀:すずめちゃん?
巻 真紀:何の写真?
世吹 すずめ:ごめんなさい。
巻 真紀:ごめんなさい。
世吹 すずめ:ああ いや ちょっと 猫が あぐらかいてたんで。
巻 真紀:マジで?
世吹 すずめ:逃げられました お買い物ですか?
巻 真紀:さっき 来る時も すずめちゃん 見えたんだけど,声かけないほうが いいかなと思って。街中で知り合いに会って 10分ぐらい 話し込んでから,この人 知らない人だって 気づいたことないですか?
世吹 すずめ:ありませんね。
巻 真紀:これなんでしたっけ?
世吹 すずめ:触ら(さわら)ないほうがいいんじゃない?
巻 真紀:何かで見たことある。
世吹 すずめ:危ないですよ。
巻 真紀:重いんだね。
世吹 すずめ:落ちてる よくわからないもの 何で拾って(ひろって)るんですか?
巻 真紀:これ あれですよ ここ持って,こうして…
巻 真紀:イエス!イエス!イエス!
家森 諭高:スイープ スイープ 別府君 もっと強く。
別府 司:すずめちゃん 後ろじゃなくて こっち。
家森 諭高:すずめちゃん そうじゃない。
巻 真紀:別府さん。
別府 司:はい。 いたい!
巻 真紀:やった。
家森 諭高:すごい。
来杉 有朱:美容室の予約 何回も忘れて,出禁なっちゃって。
家森 諭高:僕が切ってあげようか。
来杉 有朱:えッ そういうの ドキドキしちゃいます。
巻 真紀:有朱ちゃん 今日も目が笑ってないですよ。
来杉 有朱:笑ってますよ 巻さん ひどい,3分前です。
別府 司:はい。
世吹 すずめ:みぞみぞしてきた。
別府 司:大丈夫ですよ 練習したじゃないですか。
巻 真紀:練習したから 失踪するのが怖いんです。
家森 諭高:キッチン きれいに掃除したから ご飯作りたくないのと同じですね。
別府 司:家森さん。
家森 諭高:別府さんに 巻さんのことになると怒るね。
別府 司:絶対 大丈夫です。
巻 真紀:私 弾けない。
別府 司の同僚:別府さん。
別府 司:はい。
別府 司の同僚:サインいただけますか?
別府 司:僕のでいいんですか?
別府 司の同僚:はい,別府ファミリーの 大ファンあんです。
九條 結衣:ちゃんと いつも 捕まえていて~ 電話がない夜は 強がっててと…
別府 司:生 1つ,あと フライドポテト メガ盛りで,はい。
九條 結衣と別府 司:果てしない 星の光のように~
別府 司:これ面白いですよ 「人魚(にんぎょ) 対 半魚人」。
九條 結衣:あ いい 見る時間ないから。
別府 司:忙しいんですか?
九條 結衣:忙しいってうか… 別府君さ
別府 司:面白いですよ 上下(じょうげ) それぞれ逆(ぎゃく)っていう…
九條 結衣:私 多分 結婚する。
別府 司:うん?
九條 結衣:結婚する。
別府 司:えッ いつ?
九條 結衣:相手はさ 上海の日本企業に勤めて(つとめて)る人で,私も退社して 行くことになったんだよ。だから結構 急ぎで。
別府 司:へえ。
九條 結衣:で とにかく 結婚式だけやることになってさ,別府君がやってる 弦楽…
別府 司:弦楽四重奏。
九條 結衣:ちゃんとギャラ出すからさ 演奏してくれないかな。
別府 司:ああ…
別府 司:何 入れてるんですか?
別府 司:いや,何で コルセットさせてるんですか?
別府 司:ただいま。
別府 司:マジか… どうしました?
別府 司:何してるんですか?
家森 諭高:チャーシュー丼 作ってるの。
別府 司:大丈夫ですか?
家森 諭高:全然 平気。
巻 真紀:全然 平気。
世吹 すずめ:平気 平気。
別府 司:今から晩ご飯なんですか?
巻 真紀:夜食です 別府さんも食べます?
別府 司:僕は 結構です。
巻 真紀:有朱ちゃんと LINEの交換したそうです。
世吹 すずめ:全然 相手にされてないのに。
家森 諭高:はっ? すごい相手に されてますけど。
世吹 すずめ:失礼します。
世吹 すずめ:「来週食事に行きませんか?」
巻 真紀:「来週はずっと仕事なんですー」
世吹 すずめ:「来月の頭はどうですか?」
巻 真紀:「なんかバタバタしちゃっててー」
世吹 すずめ:「今度スキーでもいきませんか?」
巻 真紀:未読。
家森 諭高:脈あるでしょ?
世吹 すずめ:脈? どこでしょう?
巻 真紀:多分 これ打って(うって)る時も 目が笑ってないでしょうね。
家森 諭高:別府君 ちょっと代わって。
家森 諭高:行間。
巻 真紀と世吹 すずめ:行間?
家森 諭高:好きな人には 好きって言わずに 会いたいって言うでしょ? 会いたい人には 会いたいと言わず 「ご飯行きません?」って言うでしょ? 別府君 好きだって言う代わりに 「チケット1枚 余って(あまって)るんだけどさ」って言ったことない?
別府 司:なくは…
家森 諭高:「行けたら行くね」は どういう意味?
巻 真紀:はい?
家森 諭高:「行けたら行くね」って言った人 やってみて。
家森 諭高:来て… 来て。
世吹 すずめ:どうも。
家森 諭高:えッ? 「行けたら行く」って 言ってたじゃない。
家森 諭高:「行けたら行く」って 言ったのに えッ 何で来たの?
世吹 すずめ:これたから…
家森 諭高:もう席ないよ。 何で来たの? 怖い怖い怖い。
世吹 すずめ:ごめんなさい。
家森 諭高:こうなりますよ 悲劇 起きますよ,言ったら行くな 行くなら言うな。あと 君 また トイレのスリッパ履いてるな。
世吹 すずめ:ごめんなさい…
家森 諭高:言葉と気持ちは違うの。
家森 諭高:「こんなのデートじゃないだからね!」っていうのは デートでしょ? 「絶対怒らないから本当のこと言って」って言って 本当のこと言ったら めっちゃ怒らなれるでしょ? それが行間! 「連絡しますね」って言うのは 連絡しないでねって意味でしょ?
巻 真紀:結婚式?
世吹 すずめ:教会で演奏できるんですか?
別府 司:一応 相談しますって…
別府 司:やるんですか?
家森 諭高:何で やらないと思ったの?
世吹 すずめ:同僚が ご結婚されるんですよね?
別府 司:多分。
世吹 すずめ:多分?
別府 司:九條さんが そう言ったんです,「別府君 私 多分 結婚する」って
巻 真紀:うん?
別府 司:うん?
世吹 すずめ:うん?
別府 司:うん?
家森 諭高:うん?
別府 司:うん?
巻 真紀:行間じゃないですか?
世吹 すずめ:行間ですね。
家森 諭高:行間案件だ。
別府 司:何がですか?
家森 諭高:「別府君 私 多分 結婚する」
巻 真紀:「別府君 私の結婚 止めて」
別府 司:飲み仲間なんです,ただの カラオケよく行く… 楽なて。
家森 諭高:最初は 楽から始まるんだよ。
別府 司:九條さんと同じ部屋で寝てても 何も起きませんし…
巻 真紀:同じ部屋で寝てる…
別府 司:共通の話題(わだい)で盛り(さかり)上がって 終電 過ぎること よくあって。
家森 諭高:終電は 男女が一戦を越える(こえる) 言い訳のためにあるんだよ。
別府 司:ソファー借りて寝てるだけです。
巻 真紀:思い出してください 結婚するって言った時の顔,そこに彼女の 本当の気持ちがあります。
別府 司:見てないです,僕 その時 「人魚 対 半魚人」みてたんで。
家森 諭高:君は こんなもののために 人生のクライマックスを 見逃し(みのがし)たの?
巻 真紀:富士山 登って スマホ触れって(ふれって)るのと同じですね。
別府 司:面白いんすって。
巻 真紀:人生には 後から気づいて 間(あいだ)に合わなかったってことも あるんですよ。
別府 司:ですよね。
別府 司:明日の朝のパン かってきます。
家森 諭高:まだ話 終わってないよ。
世吹 すずめ:私もアイスかってこよう。
家森 諭高:こんな寒いのに?
世吹 すずめ:うん 食べたい。
家森 諭高:別府君 誰か別に 好きな人がいるのかな?
巻 真紀:ガールズバーじゃないですか?
家森 諭高:ガールズバー,別府君 ガールズぱー 行きかな?
巻 真紀:彼女いなくて 32歳ですよ,ほてってるに きまってるじゃないですか。
別府 司:どうしますか?
世吹 すずめ:いや…
別府 司:電話ですか?
世吹 すずめ:猫が あぐらかいてたんで。
別府 司:えッ?
世吹 すずめ:えッ 猫 好きなんですか?
別府 司:はい。
別府 司:ハリネズミ カワウソ 猫の順に好きです。
世吹 すずめ:アリクイ シロクマ 猫の順です。3位 3位ですね。
別府 司:3位 3位ですね。
世吹 すずめ:それから 別府さんって 巻さんのこと好きですよね。
別府 司:えッ?
世吹 すずめ:そうですよね。
別府 司:何ですか?
世吹 すずめ:質問に質問で返す時は 正解らしいですよ。
別府 司:違いますよ… 違いますよ。
世吹 すずめ:そうなんですか?
別府 司:そういうこと言うんだったら すずめちゃんだって。
世吹 すずめ:何ですか?
別府 司:家森さんのこと好きでしょ?
世吹 すずめ:何でですか?
別府 司:質問に質問で返すのは 正解ですよ。ほら 急に聞かれたら ビックリするでしょう?僕は…
世吹 すずめ:絶対に言わないでくださいね。
別府 司:はい?
世吹 すずめ:家森さんのこと好きです。片思いですけど。
別府 司:あッ そうなんですか。
世吹 すずめ:私も絶対に言いません,私と別府さんだけの 秘密にします。
世吹 すずめ:うん?
別府 司:いや… そうですね。 はい 正解です。
世吹 すずめ:巻さんが好き?
別府 司:はい そうですね。秘密ですよ。
世吹 すずめ:はい。私と別府さんだけの秘密です。
世吹 すずめ:パンって…
別府 司:冬のアイスって 美味しいですよね。ラブラブストロベリーか ロックンロールナッツ?
世吹 すずめ:じゃ… 左手。
別府 司:ロックンロールナッツですか?
世吹 すずめ:はい ロックンロールナッツ。
別府 司:じゃ 僕 ラブラブで。
別府 司:ナッツ好きなんですか?
世吹 すずめ:っや 別府さんが ラブラブストロベリー食べてたら 面白いなと思って。
別府 司:宇宙クレープ どうですか?
九條の同僚:九條さん おめでとう!
九條 結衣:ありがとうございます。
別府 司:お相手の方と どこで知り合ったんですか?
九條 結衣:34なった時に 婚活 始めてさ。
別府 司:婚活? 二人で どんな話するんですか?
九條 結衣:タイヤの話とか。
別府 司:タイヤ?
九條 結衣:どこのタイヤがどういいとか。
別府 司:えッ?
九條 結衣:何か ご意見でもあるんですか?
別府 司:いえ。
来杉 有朱:こんにちわ。
別府 司:お願いします。
来杉 有朱:こんにちわ。
家森 諭高:この間は LINE ありがと。
来杉 有朱:嬉しかったです。
家森 諭高:それで スキーなんだけどさ。
来杉 有朱:いきたいです,絶対 誘って(さそって)ください。
家森 諭高:いつがいい?
来杉 有朱:谷村さんに相談して 連絡します。 楽しみ。
家森 諭高:楽しみ。
谷村 大二郎:デコポン食べる?
巻 真紀:いただきます。 谷村さんから デコポンいただきました。
別府 司:ありがとうございます。
谷村 多可美:それで 別府君 今日のセットリストのことなんだけど 今 相談していい?
別府 司:はい。
谷村 多可美:お酒入れるタイミングがほしくて,例えばなんだけど ここで一度 MC入れるてもらって,この曲と この曲を は入れ替えてもらえると 助かるんだけど 変かな?
別府 司:いえ… いいと思います 谷間さんの案で。
谷村 多可美:えッ?
別府 司:僕がMCしてる間に 谷間さんにはいっていただきます。
谷村 多可美:そう?
別府 司:曲も 谷間さんが戻った時点で 大丈夫です。谷間さん的に もう少し長いほうが良ければ,そこで 谷間さんに合図していただいて。
谷村 大二郎:ママ ちょっと。
谷村 多可美:はい。ちょっと ごめんなさい。
別府 司:どう思います? 今の谷間さんの話。
巻 真紀:谷村さん。
別府 司:えッ?
世吹 すずめと家森 諭高:谷村さん。
別府 司:マジか…
谷村 多可美:ごめんなさい。
別府 司:家森さんだって そこに 谷間あったら 見ませんか?
家森 諭高:別府君 ほてるのはいいけど…
別府 司:ほてってないですよ。
家森 諭高:ごめん… 先 戻って。
世吹 すずめ:有朱ちゃんから。
別府 司:家森さんこそ ほてってるじゃないですか。
半田 温志:寒い…
墨田 新太郎:寒いな 軽井沢。
家森 諭高:あの… 仕事があって。
半田 温志:俺も仕事だよ。
半田 温志:乗って。
別府 司:ここ取れますよ,あと こことか。
巻 真紀:九條さんの結婚式 どうするんですか?
別府 司:えッ…
巻 真紀:結婚 止めないですか?
別府 司:止めません,好きな人がいるんです,片思いなんですけど。九條さんも知ってるんです,ずっと相談してたんで。
巻 真紀:九條さんが自分を 好きなのしってて 相談してたんだ。 そういう人 そばにいると 楽ですもんね。 利用してたんだ。
別府 司:そんなことありません。
巻 真紀:すずめちゃん。
別府 司:眠いなら 部屋で寝てくれればいいのに。
巻 真紀:みんながいる場所で寝たい時って あるじゃないですか?
別府 司:そうかもしれません。
巻 真紀:はい?
別府 司:九條さんを 利用してたのかもしれません。
巻 真紀:この人は 私がいないとダメっていうのは たいてい この人がいないと 私ダメ… なんですよね。
別府 司:言いますけど 片思い 辛いんですよ。
巻 真紀:その人に告白はしたんですか?
別府 司:その人 結婚してるんで。
巻 真紀:不倫ですか それはダメですね。
別府 司:ダメですかね?
巻 真紀:時の流れ(ながれ)に身を任せた(まかせた)愛人は 償う(つぐなう)ことになりますから。
別府 司:巻さんは 運命って 何だと思います?
巻 真紀:はい?
別府 司:例えば 会社の同僚と 休みの日に ばったり会ったら それって運命ですか?
巻 真紀:偶然ですね。
別府 司:それが きっかけで 2人が結婚したら。
巻 真紀:それは運命かもしれませんね。
別府 司:僕が初めて巻さんと会ったのは…
巻 真紀:あのカラオケボックスって…
別府 司:僕は初めて巻さんと会ったのは 僕が大学生の時です。巻さん 学園祭でいらしてて アヴェマリアうを弾いてました。僕は 宇宙人のコスプレしてたんで記憶(きおく)にないと思いますけど。 二回目は…
巻 真紀:二回目?
別府 司:吉そば 行ったら,バイオリンケース持ったひとが 肉そば 食べてて,見たら あのアヴェマリアの人だったんです。三回目は ヤマダ電機の マッサージ機に座ってらして…
巻 真紀:別府さん?
別府 司:もし… もし また会えたら。 その時は 運命だと思うことにしよう。声をかけて見ようと思いました。
別府 司:会えました。3年ちょっと前 結婚式場で。
巻 真紀:結婚式場?目黒の?
別府 司:僕 あそこに勤めてたんです。 運命だって思いました,結婚式当日 巻さんのウエディングドリス姿(すがた)見ながら思いました,何で ヤマダ電機で マッサージ機に座ってる巻さんに 声かけなかったんだろ? 何で 肉そば食べてる巻さんに 声かけなかったんだろ? 俺は 偶然を運命に変えるチャンスを 3回も逃し(のがし)たんだ。
巻 真紀:じゃあ あのカラオケボックスで会ったのは…
別府 司:あれは 偶然じゃありません 会いに行きました。
巻 真紀:ストーカーじゃないですか?
別府 司:はい。5回目以降はストーカーです。ごめんなさい。巻さんのことが好きです,ずっと あなたのこと好きです。あなたを捨てて いあなくなった男なんかより,僕の方が ずっと あなたのこと…
別府 司:やります。
巻 真紀:資源ごみって…
別府 司:木曜です。
別府 司:僕が…
巻 真紀:別府さん 花火 見に行ったことありますか?
別府 司:花火… はい。
巻 真紀:私 結婚するで 花火 見たことなかったんです。火じゃないですか,火を空から まき散らかすんですよ,絶対 火事になると思って 怖かったんです。夫は そういう私を 連れ出してくれました,「真紀ちゃん 僕の手 握って(にぎって)な,火が飛んできたら 連れて逃げてあげるから」って 彼に手を握られながら見た花火は すごいきれいでした。火事にならない理由も 分かりました。花火って こんな簡単に消える(きえる)んだ,きれいだなと思った時には もう消えてるんだ。悲しいより悲しいことって 分かりますか? 悲しいより悲しいのは ぬか喜びです。
巻 真紀:おかしなって思ってたんですよ。 カルテットが偶然 揃え(そろえ)なんて。でも この4人 いいメンバーだな,落ち込んでたから 神様が届けてくれたんだなって。噓だったんだ。
別府 司:噓じゃ…
巻 真紀:別府さん 夫がいないって言うけど,「いなくなるの」って 消えることじゃないですよ。「いなくなるの」って いないってことが ずっと続くことです。いなくなる前より ずっと そばにいるんです。今なら 落ちるって思ったんですか? いない人よりも僕を? 捨てられた女 ナメんな!
巻 真紀:痛い。
巻 真紀:倒れた(たおれた)。
別府 司の同僚:もう少し笑顔(えがお)いただいても いいですか? はい,撮ります。
別府 司の同僚:別府さん 別府さん。チェック お願いします。
別府 司:果てしない 星の光のように~ 胸いっぱいの愛で…
九條 結衣:えと ウーロン茶 一つと…
九條 結衣:別府君 もう出ないと終電だよ。 ねえ 終電。
別府 司:九條さんち 泊まるんで。
九條 結衣:もう帰ったほうがいいって。
別府 司:部屋にいるんですか? タイヤの話しかしない男。
九條 結衣:いないよ。
別府 司:僕 結婚式で 演奏なんかしませんから。
九條 結衣:はいはい 諦め(あきらめ)ますよ。
別府 司:何で そんなつまんない男と 結婚するんですか?
九條 結衣:こらッ。
別府 司:ねえ 九條さん。
九條 結衣:34ですからね そりゃ しますよ。ねえ 終電。
別府 司:九條さんち 泊まるんで。
九條 結衣:別府君 土足 靴 脱いで。
九條 結衣:はい お休み。
九條 結衣:ちょっと 違う そっちだって ちょっと。 今 何がパキっていった。
九條 結衣:ちょっと 別府君 ちょっ…
別府 司:九條さん。
九條 結衣:ごめん 起こした?
別府 司:結婚しましょう。 僕の結婚しましょう。
九條 結衣:お腹すかない?
九條 結衣:いただきます。
別府 司:いただきます。
別府 司:うまい。
別府 司:結婚…
別府 司:俺 真面目に…
九條 結衣:あっちこさ かわいいカフェあるんだけど 遠くで… で 毎回すぐそっちにあるチェーンのほう 入っちゃうの,まあ それはそれで おいしいんだよ。こういうタイミングでさ,そうなる 男の子の気持ちだって分かるし,こっちだったかなって 思われるのは まあ しゃくだけど 気持ちはいいよ。別府君のことは ずっと好きだったしね,だから寝たわけだし。それぐらいには 私だってズルいし。いいんだけど。結婚とか ないよ そういうのは もう… もうないかなって 思った時があったんだよ。こういうのは 今日だけのことだよ。 まあ 私もズルいし 別府君もズルい,でも 寒い朝 ベランダで サッポロ一番 食べたら 美味しかった。それが 私と君のクライマックスで いいんじゃない?
九條 結衣:はいッ?
別府 司:はい。
九條 結衣:果てしない あの雲の彼方へ 彼方へ~
家森 諭高:別府君。 おはいよ。
家森 諭高:別府君。 思春期…
別府 司:大切な人が結婚します,その人のために演奏がしたいです,一緒にやってもらえませんか?
家森 諭高:いいよ。
世吹 すずめ:みぞみぞしてきた。
巻 真紀:無理です 私 うまく弾けません。
家森 諭高:やるってさ。
世吹 すずめ:練習しましょう。
神父:You may now kiss your beautiful bride..
神父:新郎新婦 退場です。
家森 諭高:結局ね 女は先に卒業して,男は いつも 置いていかれるわけですよ。あれ 昔の男って 軽く言うんだよ。ちょっと聞いてる?
家森 諭高:何 入れてるの?
別府 司:はい はいはい どうぞ どうぞ。
別府 司:紅だッ!
別府 司:紅に染まった(そまった)この俺を 慰める(なぐさめる)奴はもういない~
別府 司:それ この曲じゃないから。
世吹 すずめ:別府さん。
別府 司:はい。
世吹 すずめ:コンビニって…
別府 司:はい?
世吹 すずめ:コンビニ 行きません? 朝のパンとか。
別府 司:パンありますよ。
世吹 すずめ:あッ アイス?
別府 司:アイスも買ってあります 4人分。
世吹 すずめ:そうですか はい。
別府 司:アイス食べないんですか?
世吹 すずめ:持ってってた。
別府 司:巻さん この間は すいません。できたら 今までどおり 接していただけたら…
巻 真紀:別府さん,私 思い出しますよ。
別府 司:はい。
巻 真紀:私 宇宙人 見ました。あれって 別府さんだったんですね。
別府 司:です!
巻 真紀:いない人よりも僕を?捨てられた女 ナメんな!
世吹 すずめ:本当のこと言ってるように 聞こえました,もし自分の夫を殺してたら こんな言い方しないかなって。
巻 鏡子:ちょっと…
巻 鏡子:息子がいなくなった 次の日の写真です。あの人 次の日には もうパーティーに行ってんのよ。夫が失踪して ショックを受けた妻が こんな顔する?
世吹 すずめ:いただきます。
世吹 すずめ:巻さん。 あれ いない。 誰もいないのかな…
世吹 すずめ:誰もいない…
巻 真紀:いただきます。やっぱり忘れてた。
巻 真紀:お土産。
世吹 すずめ:ありがとうございます。
巻 真紀:いつも飲んでる。
世吹 すずめ:おいしいんですよ。
世吹 すずめ:巻さんって お酒が好きなんですか? 酔わ(よわ)ないですよね。
巻 真紀:そうでもないですよ たまに酔います。
世吹 すずめ:パーティーとか 誘わ(さそわ)れないんですか?
巻 真紀:パーティー?パーティーか….
世吹 すずめ:あります?
巻 真紀:あることはあるかな。
世吹 すずめ:どういうパーティーですか?
m知り合いで… アスパラあったんだ,失敗しちゃった。
世吹 すずめ:いいなあ。羨ましい(うらやましい)です そういうパーティーとかって…
巻 真紀:すずめちゃんって ちょっと謎(なぞ)ですね。
世吹 すずめ:えッ?
巻 真紀:時々 お線香の匂いがする時がある。
世吹 すずめ:よくバスで 人に よっかかって寝ちゃうから。
世吹 すずめ:この間も これ着てたし。
巻 真紀:そうですよね。 もしかしたら何かお墓参り(はかまいり)とか 行ったりしてるのかなと思います。
世吹 すずめ:確かに それは謎っぱいですね。
巻 真紀:ごめんなさい,変なこと言って。
世吹 すずめ:全然。
世吹 すずめ:裏に出しときますね。
巻 真紀:この間って やっぱり起きてました? 私と別府さんが 若干言い争って(あらそって)た時。
世吹 すずめ:はい。
巻 真紀:恥ずかしな。
世吹 すずめ:いえ。
巻 真紀:すずめちゃんって 別府さんのこと好きなんですか?
世吹 すずめ:何でですか?
巻 真紀:割と この人は この人が 好きなんだろうなって そういうの見つけるの 得意なんです。
巻 真紀:ハッキリしない人って ハッキリしない ハッキリした理由があるし,人を好きな気持ちって 勝手に こぼれちゃうものじゃない。 別府さん 気づいてくれないの?
世吹 すずめ:勘違いですよ。